コペンハーゲン空港 ピアC

これまでに類を見ない体験になるでしょう。コペンハーゲン空港のピアCは、デザインと行動科学により緩やかな効率性を生み出しています。「ナッジング」(そっと押す)と呼ばれる手法をインテリアデザインに用いることで、大音量での指示や強制を必要とすることなく、論理的で快適かつ効率的な乗客の流れが作り出されています。

スムーズな旅

これまでに類を見ない体験になるでしょう。コペンハーゲン空港のピアCは、デザインと行動科学により緩やかな効率性を生み出しています。「ナッジング」(そっと押す)と呼ばれる手法をインテリアデザインに用いることで、大音量での指示や強制を必要とすることなく、論理的で快適かつ効率的な乗客の流れが作り出されています。

ピアCはヨーロッパ以外と長距離フライトに対応し、世界最大の旅客機であるエアバスA380のスペースを確保できるよう、シュミット・ハマー・ラッセン建築事務所(Schmidt Hammer Lassen Architects)により設計されました。

ピアCの外観は暗いものの、内部は滑走路の眺めと白い大理石の床で明るく広々とした空間になっています。世界的に有名な建築事務所は綿密なプランに基づき約700脚のシーティングにダークカラーのセブンチェアとドットスツールを選びました。

調査を通して、団体か個人か、あるいは仕事か休暇かなどで旅のスタイルが異なることが明らかになっています。その結果を元に、家族でくつろぐためのコーナーやハイテーブルにシーティングを配置したビジネストラベラー向けのワークステーションなど、さまざまなスペースが用意されました。また、椅子は従来のように連結して列を作るのではなく、テトリスのように配置されています。椅子が一列になっている場合、利用者は通常1つか2つおきにしか座りませんが、このユニークな配置はスペースを最大限に活用するよう促します。
これまでの経験から、乗客が通路から離れた場所やスペースの中央にある椅子にはあまり座らないということが分かっています。そこでピアCでは、コーナーの椅子を柔らかな布のパディング仕様にすることでそれらのエリアの利用を促しています。また、十分に活用されていないエリアに旅行者を誘導するために、一部のセブンチェアにはアームレストと電源が設置されています。シンプルでありながらもとても効率的です。

シュミット・ハマー・ラッセンの建築家であるナナ・ウォーフェルトは「品質と快適さによって、乗客をどれほど歓迎しているかを示しているのです」と説明しています。

2019年、コペンハーゲン空港は通算14回目のAir Transport Research Society(ATRS)によるヨーロッパで最も効率的な空港に選ばれました。